本当に起業しないといけないの?起業前にちょっと“自分の棚卸し“でその意味を明確にしてみよう!
「起業女子」という言葉が巷でよく聞かれ、起業を指南する本がズラリと並んでいる本屋を見ると「よし!やってみるか!」なんて気になってきませんか?起業とはかけ離れたイメージの作者がそのノウハウを教えてくれる本を見ていると、起業・開業がとても身近に感じますし、また実際に昔よりも気軽に出来る環境が整っているのも事実です。
インターネットなどの発達により場所を借りたり在庫を抱えたりする必要もなく、様々なサービスを提供することで一人で起業している人も増えています。SNSで実際に起業し、華やかに活躍している人の姿を頻繁に見る機会があるのではないでしょうか。
そんな様子を見て「自分も出来るんじゃないか?」「自分も起業してみたい」と思う人も多いでしょう。起業に興味を持ったら考えるべきこと、やってみたらいいことをご紹介します。それは自分の棚卸しです。
起業する前の自分の棚卸しステップ7
それでは早速自分の棚卸しをしていきましょう。用意するものは真っ白な紙1~2枚程度、ペン、そして邪魔が入らない時間と空間です。STEPは1から7まであります。やってみましょう。
STEP1
あなたが起業したいと思ったきっかけは何でしょうか?
あなたはいつ「起業したい」と思いましたか?「起業したい」と思ったきっかけは何でしたか?自分の歴史をさかのぼってそのスタート地点を探りましょう。
例:
- 1年前からフェイスブックで○○さんの活躍を見ていて憧れていた。
- 数ヶ月前に起業に関する本を読んだこと。
- 成功している起業家に憧れていて子供のころからやってみたいと思っていた。
などなど。
STEP2
あなたは「起業」の何が良いと思ったのでしょうか。1で挙げてみたきっかけの理由を考えて見ましょう。誰かのSNSを見て、その活躍のどの部分にいいなと思ったのか、本であればあなたはどの点になぜ惹かれたのか、なぜ子供のときから他の同級生のようにスポーツ選手ではなく起業をやってみたいと思い続けていたのか。思いつくままに挙げてみましょう。
STEP3
起業したらどんなあなたになるのでしょうか。起業した後のことをイメージしてみましょう。起業したあなたはどうなっていますか?どんな表情をしていますか?どんな毎日を送っていますか?オーダーメイドのスーツを着てかっこよく仕事しているのでしょうか。
毎日生き生きワクワクして仕事をしているのでしょうか。忙しく全国を走り回って休みなく働いているかもしれません。忙しすぎて寝る間もないかもしれませんね。細かくイメージしてみましょう。
STEP4
あなたは世の中にどんな人と言われたいですか?起業した自分を世間にどんな人物だと評価されたいですか?第三者になったつもりで起業した自分を見てみましょう。そしてどんな風に思われたら嬉しいか、理想的なのか考えて言葉にしてみてください。
STEP5
事業が成功したら何をしたいですか?あなたの事業が大きな成功を収めたとします。その大きな儲けであなたは自由に使える大金を手にしました。ではそのお金で何をしたいですか?思いつく限り挙げてみましょう。豪華なホテルに泊まったり、世界一周旅行に行ったり何でも出来る大金です。
STEP6
起業することで実現させたいことは何ですか?起業すれば人生は大きく変わります。きっと何か変化を起こしたいからあなたは起業を志すのでしょう。では何に対してどのような変化を起こしたいですか。これもいくつでも構いませんので「○○を□□したい。」の形で思いつく限り挙げてください。
STEP7
最後に、あなたは何を提供する事業を起こしますか?あなたが送り出す商品は何でしょうか。あなたがずっと暖めてきた何かの技術でしょうか。それともこれから何かを身につけますか。手元にある物を売りますか?
お疲れ様でした。以上で起業する前の棚卸しは終了です。やってみていかがでしたか?起業に掛ける自分の本当の思いを垣間見ることができましたか。紙に書くという作業が実はとても大事で有意義なことです。
「思い」はあなたの中だけにある形のないものです。目に見えないあなたの中だけにある思いに最も相応しい言葉を与えることは思いを「見える化」するということです。初めて形を与えられたあなたの思いをよく見てみてください。
紙に書いてみて何だか納得できていないというなら、まだもう少し時間をかけてやってみることをお勧めします。まずやるべきは自分を納得させることだからです。自分自身を納得させられないのならば他人を説得するのはもっと難しくなります。
それぞれのステップの意味
それでは先程のSTEPのもつそれぞれのステップの意味を考えていきます。STEP1~2は原点を確認しておくということです。スタートラインです。事業を一本の木と捉えるなら「種」に当たります。将来、事業が困難に陥ったときや何か事あるごとに帰って来る原点になる部分です。
STEP3~4は起業であなたが抱いている夢を探るステップでした。STEP1~2が「種」ならSTEP3~4は「水」「肥料」に当たります。ここではあなたが人知れず抱いている欲望を見える化していきました。欲望はエネルギーの源ですから欲望を抱くことは悪いことではありません。
STEP4はあなたが何に関心をいちばん持っているかがわかります。事業に成功している人、素敵な人、頭のいい人、ちょっと恥ずかしくなったかもしれませんがしっかり自覚しておきましょう。
STEP5からが実際に事業をしていくうえで大切な内容を探っていくステップです。STEP5で書いたことをよく見てみてください。グループ分けできそうならしてみてください。そしてそれぞれのグループを見て「誰が喜ぶ」ことなのかを考えてみてください。
STEP5は「実」に当たります。あなたは実った実をどのように使いますか。全て食べつくしてしまいますか、それとも次に生かしますか。全て自分のために使いますか。
STEP6「○○を」の部分に「自分」に関することが多いですか?それとも「自分以外」に関する言葉が多いですか?もし「自分」>「自分以外」であった場合、あなたの起業は自分のためである可能性が高くなります。
STEP7この質問はあえて最後にもってきました。もう既に決まっている人がほとんどだと思いますが、もし「これから考える」という答えだったら、あなたの起業は、「起業すること」そのものが目的なのかもしれません。
「仕事」とは何なのでしょう?
突然ですが、ここで最後の質問です。
あなたの起業は誰のための事業ですか?
常に考えてみてほしいのは誰のための起業なのかということです。昨今の起業ブームで、誰のための起業かが定かでない“事業家”が入り混じっている現状があります。
仕事、事業とは誰かの不便を解消し、役に立つサービスを提供することです。
自分のための起業、事業が悪いかどうかは論じませんが、そもそも仕事とは何なのかを忘れてはいけません。仕事とは世間のニーズを満たすこと。そしてそれが地域や日本全体がよい方向に発展していくことを助けるものであることが大前提です。儲かれば何でもいいということではないのです。
もし最後の質問が「世間のために役に立ちたい!」ということであっても、それは会社勤めでも十分出来ますし、ボランティアでも可能です。それらではダメで起業でなくてはならない理由はありますか?それは世間に求められていることでしょうか。世間では起業を後押しする風潮がありますが、そこは慎重に厳しく判断して一歩を踏み出してください。
最後に~起業コンサルは程ほどに…
今回の棚卸しは簡易のものでした。もしもっと深くじっくりやってみたいなら誰か人の手を借りるというのも方法のひとつです。その際に“起業コンサルタント”という選択肢もありますが、実は彼らもそれほど経験があるとは限りません。自分がうまく行ったので、そのたった一つの方法を売ることを「コンサル」と称して集客している現状があり、多様な業種には対応できないこともあります。
残念ながら「起業したい」という思いにつけ込んだ事業も多々あることを知っておいてください。しかし何はともあれ「自分で何かを始めてみよう!」と思い立った意欲は大切です。前向きに、万全の準備を持って起業できるようにしましょう!
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